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海の人
このページは、海で生きる人たちを紹介したページです。
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↓読みたい話を、クリックしてください。
・兄弟船 ・漁師の目 ・もてなす心
・漁師の手 ・海老のひと ・腕まくり
・なんで知ってるの? ・ニコニコ
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兄弟船
兄弟で船に乗り込み、漁を行う者達を何人か知っている。たいてい兄貴がしっかり
して、弟がそれに合わせているのが多い。天気の良い日ならともかく、荒れた海という
過酷な環境では、お互い信頼感が出来るのでしょう。実の兄弟でなくても、共に乗り込
み作業をするうちに作られていくものがあるようです。
ヨットマンが話してくれたことがありました。海においては何でも出来なければならない。
そして絶えず海を見つめなければならない。つまり、沖に出たなら戻るまでは全て自分
の責任と言うことなのです。
私の知るある男も、兄弟で海に生きている。陸に上がれば今一つかも知れないが、
ひとたび沖に出ると目の輝きが増し、ひとまわりもふたまわりも大きく見えてくる。
親戚の姉に昔の彼の話を聞いたことがある。強い雨の降る中、学校へも行かず、
ずぶ濡れになって荷車を引いていた姿がものすごく印象的だったと・・・。彼の家は
海苔養殖を行っており、その当時、刈り取った海苔を荷車に積んで、島ではかなり
内陸部にあった加工場まで運んでいたらしいのだ。学校は卒業できなくなるほどしか
来ていなかったが、彼の海で生き抜くセンスはその時分から培われたのだと思う。
高校・大学とトントン拍子に上がっていった私も、気が付いて見れば同じ漁師になって
いた。私とその彼。同じ線上なら経験の差で負けてしまうかも知れない。彼にあるように、
私には私なりの海の生き方があるのだろうと思う。
彼も私のような変則的な者を良い刺激に思ってくれているのだろう。漁師の集まりで
酒を飲むことがある時は、気が付くと彼の近くにいることが多い。そして、様々な問題に
ついて語り合っている。彼は直感的に、私は冷静に・・・。
そうそう、私にも彼のように弟がいたなぁ。
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漁師の目
私が漁師になって間もない頃、ある漁師さんの船に乗ったことがあります。そのとき
驚かされたのですが、経験の浅い私にはまぶしいばかりの波間に人がいるというの
です。話に夢中だった私に対して、その人は常に周りに気を配っていたのでしょう。
しかも、言われてその方向を見てもハッキリ見えないのです。漁師の勘と言うのでしょうか、
その超人的な目には驚かされましたね。やっぱり人がいましたから・・・。
仕事を共にすることもあって、もちろん直接的ではないですけど、私自身、その人
にはいろいろ教えられている気がします。おかげさまで私も一人前の漁師になれました。
さてさて、私にもあの漁師の目は備わったのでしょうか?
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もてなす心
家島への交通手段として定期船が一般的なのですが、条件によっては海上タク シー
というものを使うという方法もあるのです。海上タクシーは好きな港から 港へ好きな時間
に運んでくれるサービスで、天気が良かったら船長の替わり に運転する事が出来た
り、とっておきのスポットを教えてくれることだってあります。
以前はもう少し経営体数も多かったのですが、様々な影響で現在は数隻になっ てし
まいました。速い船・大きい船などいろいろありますが、どの船長にも言えることなん
ですが、「もてなす心」を持っていると思います。中には 話が不器用な人だってい
るでしょう。でもよく見て下さい。船の中は綺麗で しょ。こまめに掃除してるんですよ。
私の同級生もその船長の一人なんですが、一年中海の上を走りまわって います。
夜中にお呼びがかかれば迎えに行くし、風が強く大波の時だって必要あれば波に
立ち向かいます。もちろん無理はしません。ダメなときは断っ ています。このあたりの海を
良く知っているから、ハッキリ言えるんだ と思います。
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漁師の手
漁師さんの手って見たことありますか?。みんなゴッツイ手なんですよね。指は太いし、
肌はざらざら、何でそうなるかって?。働き者のスゴイ漁師ほど口はあまり動かさないけ
ど、手は凄いんですよね。暖かみのある手って言うのかなぁ。
ある人なんかね、海の作業するとき手袋じゃあ動きが悪くなると言って、素手で仕事を
するんです。昔からそうしているため、手の皮が固いのなんのって・・・。でも、そういう手の
人は、凄く温かみのある人間であることが多いみたいです。そりゃあ、もの凄い環境下で働
いてるわけでしょ、無口だけど人には優しくなれますよ。
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海老のひと
死ぬまで海に出て行くんでしょうね。年老いても海で自分の道を進み続ける方々を
私は何人も知っています。その方々の年齢もさることながら、船も使い込んでいる感じが
良い趣を醸し出しているように思います。「むかしはようけ獲れたんになぁ・・・。」
ある人が懐かしく昔の海を思い出したとき、私が耳にした言葉です。
島の近海にはその方々が何年もかかって探し当てたポイントが数多くあり、先輩方の
お気に入りの場所でもありました。潮に逆らわず、船を流し、ゆっくり魚と勝負する。その
光景は静かではありますが、自然と共に生きてきた彼らの真の姿。いつまでも魚と知恵
比べを楽しんでいらしゃることでしょう。
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腕まくり
その一家は島でも有名なくらい働き者の家系なのです。私自身もその部類に入るのかも
しれませんが、この家は家族全員があちらこちらで走り回っているのです。そんな中でも
ひときわ目立っているのが私と同い年の女の子。結婚相手を漁師に育て、彼もまた漁師の
中でも一目を置かれる存在になっている。そういう旦那を持つ彼女は、私達の見えない
ところでかなり苦労をしているのでしょう。昔は無邪気で好きなことやっていたような彼女
ですが、島に戻って子供を育て、ものすごくしっかりした存在に感じます。
私自身、毎年世話になった友人や知人に島の味をと、彼女の炊くイカナゴのくぎ煮を
買わさせていただいているのですが、その現場に行くと自転車の車輪くらいあろうか大きな鍋を
5〜6個相手に、髪はスカーフで留め、腕をまくりして格闘している彼女の姿を見かけます。
私は昔から言葉少ない方ですが、彼女の炊く味には何の言葉も必要ないでしょう。
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なんで知ってるの?
家島は小さな島ですから、住んでいる人のことはたいてい分かるのです。男女とも井戸端
会議が多いせいか、話題は1日を待たずに島中に広がります。とりわけ、恋愛関係の話題は
早いようで、私自身のお見合いの話も(破談になりましたが)知らぬ間に広がっていました。
そんな井戸端会議の中心といえばやはりオバチャン達主婦層になるでしょうか?買い物して
いるとき知り合いにあったらペチャクチャ。道端でペチャクチャ。
そんなオバチャン達と私自身あることで一緒に活動をしております。その人たちはまだ上品な
方で?そんなにペチャクチャ話をする方じゃないのですが、私自身のことを言われたときには
さすがに赤面してしまいました。家島の和やかな雰囲気でペチャクチャ話をするのは楽しいこと
なのでしょう。ある活動と言うのも、いろいろ山あり谷ありなのですが、みんな家島が好きだから
頑張って行けるのです。私も彼女達の力になってみたいと思います。
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ニコニコ
その人は絶対に弱音を吐かないのです。というか、そういうことを考えないのかも?私と
ほとんど同い年で彼の方が若々しいので、私の方が年上に見られるかもしれません。
家が近所だったこともあり、幼い頃はよく遊んだりした方でした。その時もいつも前向きな
ことを言っていたような気がします。磯歩きをして島の岩場を渡っているとき、「おいしい飴を
あげるからガンバレよ、あの向うにはきっと面白いものがあるんだ」っていう風に。。。
それはホントでなくても良いのです。ニコニコすることでまわりがニコニコしてくるのだったら、
そうした方が良いのに決まっています。私も人生の苦味と言うものを知ってから、ニコニコの
大切さを理解できました。幼い子供なんかの笑顔に出会えると、自分自身無邪気になり、
ココロ慰められたような気がします。
みなさん最近笑顔を忘れていませんか?ムズカシイ顔しているとムズカシイ人になって
しまいますよ。私たちも彼を見習って、ニコニコ笑顔を特訓中です・・・・・・なんてね。
とにかく、「笑う門には、福来たる」なのです。
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